よくある質問

2019.08.14更新

丸ノ内線新宿御苑前駅近くで法律事務所を開いています、弁護士の石原です。

 

最もよく聞かれる質問「私は離婚すべき(離婚した方がいい)でしょうか?」を取りあげます。

 

1.私の回答


 

私に限らないかもしれませんが、私は最終的に決断をするのはご依頼者ご本人であり、弁護士はそのご決断のための情報提供や、ご決断に後悔が無いようにサポートすべきであると考えています。そのため、「~すべき」や「~した方がいい」という回答は基本的にはいたしません。

離婚についてまだ決断されていない方から、表題のようなご質問を受けた場合、「離婚するとこうなります。離婚できるかどうかは、こういったところが問題となるでしょう」「婚姻を継続すると、こういうことになります。最終的には、相手方からこうされる可能性があります」等と回答することが多いです。

今回は、「離婚すべきか(した方がいいか)?」に対する直接の答えは「ありません」が、判断材料となる「離婚するとどうなるのか」「婚姻を継続するとどうなるのか」を一般的に解説いたします。

より詳しい情報は、徐々にページを追加していきます。

 

2.婚姻継続した場合(婚姻の効力)


 

まず、離婚せずに婚姻を継続した場合はどうなるのでしょうか。

基本的には、婚姻関係から生じる法律関係がそのまま妥当することになります。

(1)夫婦間の同居・協力・扶助義務

夫婦は、同居して、お互いに協力し、助け合わなければいけません(民法752条)。

勿論、いろいろな事情から別居を余儀なくされることもありますので、同居義務も絶対的なものではありません。

同居を求める審判も可能ですが、これを直接強制・間接強制することもできないとされています。

 

(2)婚姻費用分担義務

夫婦は、資産、収入その他一切の事情を考慮して、婚姻から生じる費用(生活費等)を分担しなければいけません(民法760条)。

離婚するか、しないかで争っているご夫婦であっても、離婚が成立するまでは夫婦であり、婚姻費用の分担をしなければいけません。

現在、多くの場合は【算定表】に基づき金額を検討しています。

 

(3)貞操義務・重婚禁止

不貞行為(いわゆる不倫)が離婚原因とされていることから、夫婦は互いに貞節を守るべきとされています。

また、重婚が禁止されている(民法732条)ことから、他の人と交際や、結婚状態になることは許されません。

 

(4)相続

配偶者は、常に相続人となります(民法890条)。

 

(5)姻族関係

3親等内の姻族は親族にあたります(民法725条)。

3親等内の親族間において、扶養義務を負うこともあります(民法877条)。

 

(6)子ども

婚姻中は、未成年の子に対する親権は、父母(夫婦)共同で行います(民法818条)。

 

3.離婚した場合


 

(1)同居・協力・扶助義務、貞操義務

夫婦ではなくなるため、同居義務などはなくなります。

また、自由な交際が許されるようになりますし、結婚しても重婚関係には当たりません。 

 

(2)婚姻費用分担義務・養育費請求

夫婦ではなくなるため、婚姻費用の分担を求めることができなくなります。

生活費を相手方の収入に頼っている人は、離婚後も生活できるのか慎重に検討してから離婚の申し入れをしたほうがいいでしょう。

ただし、未成熟な子どもの養育に必要な費用(養育費)を求めることができます。

 

(3)相続、財産分与、慰謝料請求

離婚してしまうと夫婦ではなくなりますので、相続することは出来ません。

しかし、離婚時に婚姻期間中に夫婦協力して築き上げた財産の精算(財産分与)を求めることができます。

また、場合によっては相手方に慰謝料請求をすることもできます。

離婚後の生活に不安がある場合などは、財産分与で調整することもあります。 

 

(4)姻族関係の終了

離婚によって、姻族関係は終了しますので、離婚後は親族ではなくなります(728条)。

 

(5)子ども

離婚後も、子どもに対する関係で父母であることに変わりはありません。

離婚する際に未成年の子どもがいる場合は、どちらが親権者となるかを定めなければいけません。

一緒に生活をしないこととなった親とも親子関係が終了するわけではないので、子どもの為に面会交流を実施する必要がある場合は、ルールを定めるようにしてください。

 

(6)年金分割

相手方が厚生年金に加入されている場合は、年金分割が可能です。

年金額を分割するのではないので注意が必要です。

 

 4.離婚するかどうかの判断


 

以上のように、婚姻を継続した場合の生活と、離婚した後の生活を比較して離婚するかどうかをご判断いただくことが多いです。

勿論、そういったメリット・デメリット以上に、夫婦関係を解消したいという気持ちの方が強く、デメリットが大きいとしても離婚したいという方もいらっしゃいます。

 

また、離婚したい、婚姻関係を継続したいと思っていても、事情や相手方の気持ちによっては望んだ結論にならないこともあります。

 

離婚を申し入れられた場合や、離婚したいと思った場合、結論がまだ固まっていない段階でも、離婚する場合、しない場合の違いや、今後の準備についてアドバイスすることができますので、お気軽にご相談ください。

ご相談のご予約、お問い合わせは、↓からどうぞ。

投稿者: 石原晋介法律事務所

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