弁護士コラム

2018.07.18更新

丸ノ内線の新宿御苑前~四谷三丁目で活動している弁護士の石原です。

 

当事務所のお知らせではないのですが、出来るだけ多くの人に知っていただきたく、ブログ記事といたしました。

 

https://www.houterasu.or.jp/saigaikanren/saigaiqa/info300711.html

 

平成30年6月28日において、被災地域に住居や営業所があった方に対し、法テラスでは生活再建に必要な法律相談を無料で行ってくれます。

ご家族、ご友人、お知り合いで、被害に見舞われた方で、専門家の援助が必要な方がいらっしゃれば、こういった援助があることを教えてあげてください。

投稿者: 石原晋介法律事務所

2018.03.16更新

新宿御苑前で弁護士をしている石原です。

 

先日、友人との間で離婚に関する手続きの期限が話題になりましたので、いい機会だと思いまとめてみました。

 

1.離婚について


 

協議離婚の場合は、離婚届を作成し提出することで離婚できると皆さん分かりますが、裁判所の手続きである調停や裁判で離婚するときは、どのような手続きが必要なのかはご存じないと思います。

 

離婚調停は「調停において当事者間に合意が成立し、これを調書に記載したとき」に成立すると定められています(家事事件手続法268条1項)。したがって、「調停により離婚する」という内容の調停調書が作成されたら離婚は成立します。

ここで注意が必要な点は、離婚届を提出する内容の合意ができてしまった場合です。「協議離婚することとし、申立人は●月●日までに届け出る」というような内容だと、実際に離婚届を出した時が成立時ということになります。

訴訟による場合は、判決が確定したときに成立します。訴訟の途中で和解したときは、調停と同様調書にその旨記載されたときに成立します。

 

しかし、離婚の手続きはこれで終わりではありません。

裁判所から調停調書や、判決の謄本(判決のときは確定証明も必要です)を受け取り、調停成立または判決確定の日から10日以内に届け出をしなければいけません(戸籍法77条1項、63条1項)。気を付けていただきたいのは、起算日(期限の1日目)が謄本を裁判所から受け取った日ではないこと(戸籍法43条1項)、間に休日などがあってもその日も含めて計算することです。

この期間を守れないと、過料という制裁があり得ますのでお気を付けください。

謄本の取得の仕方は、裁判所の窓口で教えてくれます。戸籍届出用と伝えれば、必要事項だけ記載された省略謄本というものも選択できます。

あらかじめ申請書を作成しておきたい時は、東京家庭裁判所の「その他の申請」の案内をご参照ください。

 

2.離婚後の氏について


 

民法上は、結婚するときに氏(苗字、姓)を相手の氏に変更した人は、離婚によって結婚前の氏に戻るとされています(民法767条1項)。

しかし、長年の結婚生活で使ってきた氏や仕事上も変更してしまった氏を離婚後も使用したいこともあると思います。

その場合は、離婚から3か月以内に届け出ることによって、離婚の時(結婚中)の氏を使い続けることができます(同条2項)。

離婚成立前に、あらかじめどちらにするのか検討しておいて、離婚の届出と同時に「離婚の際に称していた氏を称する届」をしてください。また、その際は離婚届の「婚姻前の氏に戻る者の本籍」を空欄にして届出をするそうです。

 

3.子どもの入籍


 

離婚により氏が戻る人が未成年の子どもの親権者であっても、子どもの氏は自動的に変わりません。また、上記の「離婚の際に称していた氏を称する届」をしていても、戸籍上は子どもと親権者の氏が異なることになります。

そこで、結婚するときに氏を変えた親権者の戸籍に子どもを入れるためには、裁判所において「子の氏の変更許可」を得てください。

手続については東京家庭裁判所の「家事審判の申立」ページ内の「子の氏の変更許可」をご参照ください。

許可の審判が出ましたら、審判書の謄本をもらい、子どもの本籍地や親権者の住所地の市区町村役場に「入籍の届」をしてください。

この許可や届出には期限はありませんが、生活上不便があると思いますのでなるべく速やかに行ってください。

 

4.年金分割


 

今回、友人との間で話題になったのは、年金分割の期限でした。

年金分割の詳しい内容などは別の記事でご紹介します。

年金分割は、離婚成立から2年以内に実施機関に対し請求しなければなりません(厚生年金保険法78条の2第1項)。

離婚時に話し合いや調停・審判で按分割合などが決まればいいのですが、離婚後にも按分割合を巡って調停・審判で争っていると、この2年を経過してしまうこともあり得ます。

しかし、その時は年金分割の調停成立や審判確定の翌日から1か月以内に請求すれば間に合います(同法施行規則78条の3第2項)。

許可抗告や特別抗告まで争う場合は、注意が必要です。これらの手続きには審判を確定させない確定遮断効がないとされているため、まだ争っている内に上記1か月の期限が経過してしまうことになるからです。

 

5.財産分与


 

婚姻中に夫婦で築き上げた財産を離婚時に清算する必要があり、財産分与を求めることができます。

詳しい内容はこれも別の記事でご紹介します。

財産分与は、離婚から2年を過ぎると裁判所に申し立てをすることができなくなります(民法768条2項但書)。

財産分与と年金分割は、離婚後・老後の生活基盤としてとても重要なので、出来る限り離婚の申立てと同時に申し立てをするようにしてください。

 

多くの弁護士は、調停成立までは担当してくれると思いますが、その後の届出等はご本人にやってもらっていると思います。弁護士からちゃんと説明を受けない場合もあり得ますので、せっかく望む内容の調停が成立したのに期限経過で実現しない、制裁を受けたということがないように、ご注意ください。

 

離婚に関するお悩みがありましたら、当事務所までお問い合わせください。

お問い合わせフォームや、予約システムをご利用いただければ時間や休日を気にせずお問い合わせいただけます。

投稿者: 石原晋介法律事務所

2017.11.14更新

新宿御苑前で弁護士をしている石原です。

 

今朝、でかけにフジテレビの「とくダネ!」という情報番組で、特殊詐欺の新たな手口として、訴訟をしたという通知をハガキで送る方法が増加しているという内容を見かけました。

全て見たわけではないので、番組内容と重複しているところや、番組の主張と異なるところがあるかもしれませんがご了承ください。

 

1.詐欺を詐欺と見極めるために


 

 

詐欺の手口は、とても巧妙ですし、人の不安につけこむ手法を用いているので、自分は引っかからないと思っている人でも引っかかってしまう危険性は十分にあります。

そこで、まずは「訴訟を提起した」という詐欺に引っかからない為に、訴訟手続きの基本などをおさえておいていただくのが冷静に判断するためのコツだと思い、簡単に解説いたします。

 

2.訴訟の通知


 

訴訟は、裁判所からハガキで通知されることはありませんし、裁判所以外が通知することもありません(原告が自主的に通知する可能性はあり得ます)。

何かで訴えられた、ということは相手の主張が正当かどうかにかかわらず、出来れば人に知られたくないことですよね。

また、裁判は被告にしっかり防御・反論の機会を与えなければいけないので、通知がちゃんと届いたか、いつ届いたのか分からないハガキなどの方法ではスタートできません。

そこで、裁判所は被告に対して「特別送達」という方法を用いて通知をするのが通常です。

 

3.裁判(事件)の特定


 

裁判所は、全国各地にあります。

したがいまして、どこの裁判所で行われるか(係属する)かは、被告のために明らかにならなければなりません。

ですから、どこの裁判所かという情報がない通知は基本的には詐欺だと疑ってみるべきだと思います。

 

また、同じ裁判所で、同じ当事者の別事件が継続することもありますので、裁判一件一件に事件番号が振られます。

この事件番号には、受付の年が必ず最初につけられます。

年が変わるとまた1号から事件番号をつけていくことになっています。

 

事件番号には平成29年(ワ)第xxxx号のように、年のあとに符号がつけられます。

民事事件はカタカナ刑事事件はひらがなというように大まかに分けられ、その中で地裁で行われる通常の民事訴訟であれば(ワ)などと符号だけでどんな事件かある程度は分かるようになっています。

 

4.通知を受けたときの対応


 

訴えられた場合は、通知だけが裁判所からくるということはないですが、訴状もそれらしく作ってわざわざ書留で送ってくる詐欺が行われるかもしれませんので、今後訴えられたという通知が来てしまった人のために、どう対応すべきか簡単に私の考え方をお伝えいたします。

 

まず、どの裁判所に継続しているのかを送られてきた書類で確認してください。

どの裁判所なのかよくわからなければ詐欺の可能性があります。

 

次に、その裁判所の代表電話番号をインターネットや電話帳で確認して、電話してください。

届いた書類に書かれている電話番号だと、詐欺グループの電話の可能性があるからです。

 

裁判所に電話がつながったら、係属部、事件番号を伝えてください。

書かれている事件番号がでたらめだったりすれば、裁判所がその番号はおかしいと教えてくれるはずです。

また、実際の事件番号でも当事者名や事件名が違っていれば、そのように教えてくれるはずです。

 

ここまで間違いが内容だと、実際にあなたを被告とした裁判が継続している可能性が高いので、弁護士に今後の対応を相談してください。

裁判所は、提出期限や形式的なことは教えてくれるでしょうが、主張すべき内容などは教えてくれません。

 

5.注意事項


 

以上のように、詐欺の場合は通常の訴訟の手続きと異なる点があるので、詐欺かどうかを見極める一つのポイントとして覚えていただきたいのですが、債権者(原告)から訴訟をした(あるいはする)という通知をすることや、どのような通知をするかは自由です。

したがいまして、以上のような通常の裁判の流れと違っているような場合でも、100%詐欺だとは言えないこともあります。

判断がつかない場合は、記載された電話番号などに電話せずに是非弁護士にご相談ください。

 

 

 

投稿者: 石原晋介法律事務所

2017.11.01更新

新宿御苑前の弁護士の石原です。

 

本日、気になったニュースは、芸能人の方が薬物使用で捕まってしまった息子さんに対して、保釈させずに勾留期間反省させると決断されたという報道です。

 

 

1.保釈について


  

刑事事件で逮捕されると、検察官に送致され、検察官が更なる調べが必要だと判断した場合などに、勾留という最大20日間の身柄拘束を裁判所に求めます。検察はその間に捜査を進め、起訴・不起訴を決めます。

勾留中に起訴されると、2か月の勾留となりますが、1か月ごと更新でき、基本的にはそのまま裁判が終わるまで勾留が続くことになります。

起訴された後の勾留は、逃亡(裁判に出てこない)や証拠の隠滅、証人となる人への脅迫などを防止するために必要ではあります。

しかし、そういった危険性が低い場合や、そういったことへの抑止力が他にあれば、身柄の拘束というとても重い方法をとる必要はありません。

勾留を続けると、防御・弁護活動にも支障が出てしまいます。また、長期欠勤・欠席により解雇や退学といった社会的な制裁を受けてしまう可能性も高くなります。

 

そこで、逃亡・証拠隠滅をしないことを誓約し、それを監督する人が居て、また、約束を破った場合に経済的制裁を課すため保釈金(事案によりますが、低いときでも200万近いです)を提出させることで、一時的に身柄の拘束を解くことができます。これを保釈といいます。

保釈は、一時的に身柄の拘束を解くだけですので、無罪放免というわけではありません。裁判は行われ、実刑判決が下されると収監されてしまいます。

 

2.薬物事犯の保釈について


 

保釈期間は、逃亡等をしない為に、住む場所を届けでなければいけません。

通常は、身元引受人となってくれる家族の元へ身を寄せることが多いです。

しかし、近年薬物事犯においては、保釈期間を利用して薬物への依存からの回復をめざし、治療等を開始することが多いです。

何故このようなことをするかというと、治療開始は早ければ早いほどいいということがあります。

薬物事犯の特徴として、身体拘束や裁判中は確かに反省していて、薬物をやめよう・やめたいと思っています。しかし、裁判が終わってしまうと薬物の誘惑が勝り、結局再使用してしまい、せっかくつけてもらった執行猶予も取り消しになってしまうことが多いのです。

そこで、保釈期間の制限住居として薬物依存からの回復支援をしている【ダルク(DARC)】や、専門的治療をしてくれる病院へ入寮・入院することで、再使用を防止する方策をとろうとしています。

 

このような保釈期間の利用方法はメリットが大きいと思います。

再犯により実刑を受ける危険性を回避するという予防だけでなく、実際に反省を行動として示すことができるため、初犯の裁判における情状として大きな意味があると感じています。

 

3.反省について私が思うこと


 

 

刑事事件の被疑者・被告人は罪を認めている場合、ほとんどが反省を口にします。

全員が、心にもない反省をしているわけではありません。

ほとんどの人が、留置施設の環境や、自分がしてしまったこと、家族への迷惑などから、心から反省しているように思われます。

しかし、反省をしていても環境や状況が改善されなければ、再犯を防ぐことは難しいのも事実です。

お金が無くて窃盗をしてしまった人に、反省したからといって何もしてあげなければ、お金が無くなれば再度盗みを働いてしまうかもしれません。

薬物も同じです。反省だけでは、防げないのです。薬物は意志の力を超える力を持っているから怖いのです。

 

裁判官は、薬物の恐ろしさ、再犯率の高さをよくご存じです。

「反省している」「二度とやらない」「やめられる自信がある」

そういった被告人が、数か月後に再度裁判所に連れてこられるのを何度も見ています。

反省し、再犯しないことを誓うのであれば、保釈期間を利用して行動・環境調整を行うべきだと私は思っています。

 

私の担当した事件で、被告人の供述が薬物の怖さをとても端的に示していました。

「その時の私の思考は、『どうやって薬物を使用しようか』ということにのみ支配されていました。」

薬物使用がばれる可能性が高い状況や、ばれてしまった場合に失うものの大きさから、合理的判断ができれば使用しなかっただろうという人でしたが、結局、再度薬物に手を出してしまいました。

 

 

4.まとめ


 

ニュースになっている芸能人の方の決断を批判するわけではありませんが、私はその対応ではいずれ薬物を再使用してしまうのではないかと心配になります。

反省は、どこでもできます。

しかし、実際に約束通り再犯しないことは、留置施設で一人で考えていても難しいです。

特に、薬物事犯は薬物の依存性から難しいです。

再犯防止には家族、専門家などの力を借りて、環境整備をしていくことが重要です。

ご家族や大切な人が、薬物使用で逮捕されてしまった方は、是非弁護士と相談していただき、裁判が終わるまでに環境整備を行ってください。

 

 

投稿者: 石原晋介法律事務所

2017.10.19更新

新宿御苑前で弁護士をしている石原です。

 

みなさん、弁護士にはどんな時に相談すると思いますか?

訴えられたとき? 逮捕されてしまったとき?

いずれにしても、「トラブルになった後に相談する相手」とお考えの方が多いのではないでしょうか。

また、トラブルといっても、この種のトラブルは弁護士に相談してもいいのだろうか? と悩んだことがある方もいるでしょう。

もしかしたら、法律問題であることや、話し合ったり、裁判をすれば何とかなる問題であるということに気づかず、専門家に相談しようとすら思わずに終わらせてしまい、後悔された方もいるかもしれません。

 

静岡市が「行政困りごと相談所」を開催し、専門家(士業等)や行政が参加し、困りごとに対しワンストップサービスを提供したところ、1日で約50件の相談が寄せられたというニュースを見ました。

静岡市でも、各士業も行政も無料相談会などは定期的に開催しているでしょうし、事務所での無料法律相談を実施している弁護士も多数いるはずです。

それにもかかわらず、この相談会に1日で50件も相談があったことにびっくりしました。

何故市民の皆様は、各士業・団体・行政が行っている相談会には行かずに、今回のこの相談会に行かれたのでしょうか?

 

もちろん、PRの不足ということもあると思います。

弁護士会でも無料相談会やっていますよとお伝えすると、知らなかったという方も沢山いらっしゃいます。

しかし、本気で悩んでいる方が、全くどの相談会、どの専門家の広告も見かけなかったということだけでは、今回の相談件数の多さは説明がつかないようにも思えます。

 

私の想像でしかないのですが、最初に書いたような、弁護士にどんな相談をするべきか分からない、この相談はどの専門家に相談すればいいのか分からない、ということから、相談会に思い切って足を運べない方が、私たち専門家が思っている以上に大勢いらっしゃるのではないでしょうか。

つまり、「自分の抱えている悩みを誰に(どの専門家に)相談すればいいのか分からない」という人、「相談すれば解決する問題か分からない」という人がとても多いと予想しています。

 

私も「弁護士にこんなこと聞いていいのか分かりませんが……」という前置きをされてご相談を受けたところ、まさに弁護士が扱うべきご相談だったこともありますし、他の専門家をご紹介すべきご相談だったこともあります。

 

私は、弁護士として独立して、最初に行ったことは「信頼できる他の専門家とつながりを作る」ということでした。

上記のように、他の専門家をご紹介すべき場合もありますし、弁護士が解決した事件の後処理や、解決するために必要な証拠などで他の専門家のお力を借りるべき時があると思っていたからです。

実際に、相続事件が解決した後の登記を司法書士の先生にお願いしたり、遺言書作成のために税理士と協力し合ったり、不倫の証拠を掴むために探偵さんにお願いしたりと、各専門家のお力を借りて依頼者様のお悩み解決に取り組んでいます。

したがいまして、他の弁護士もそうだと思いますが、「弁護士に相談すべきことか悩んでいる」場合は、まずはお気軽にお問い合わせいただけると嬉しいです。

お問い合わせいただくタイミングも、「紛争になってしまった」という状況であれば、出来るだけすぐに相談に来ていただきたいのですが、それ以前に「まだもめていないけれど、これからもめてしまうかもしれない」というタイミングでも気兼ねせずにお早めにご相談ください。あらかじめ、法律問題に関する予備知識や、紛争になってしまった時の手続きの流れなどを理解しておくことで、安心して臨めることもありますし、相手方への提案や決着点を考えておくことで交渉をリードすることもできます。

また、私は他士業・専門家とセミナーや相談会を開催することも多いので、これからはHPで積極的に告知し、「誰に相談すればいいのか分からない」人も、迷うことなく相談に行ける機会をたくさん提供していきたいと思います。

 

誰に相談すればいいのか、弁護士に相談してもいいのか悩んだら、是非一度お気軽にお問い合わせください。

よろしくお願いいたします。

投稿者: 石原晋介法律事務所

2017.10.08更新

丸ノ内線の新宿御苑前・四谷三丁目で事務所を構えています弁護士の石原です。

 

先日、ネットでニュースを見ていると、次のような記事が目につきました。

「長嶋一茂が告白、父・茂雄氏の財産既に放棄」

長嶋茂雄さんと言えば、誰もが知っている日本プロ野球の名選手・名監督です。

長嶋さんは脳梗塞で倒れられたものの、いまもお元気だと思っていたのでお亡くなりになったのか?とビックリしました。

何故私がこの記事で長嶋さんがお亡くなりになったとビックリしたかを以下で簡単に説明いたします。

 

1.相続放棄とは


 

 

「相続」が発生すると、相続人は「被相続人の財産に属した一切の権利義務を承継」(民法896条)します。

つまり、+の財産(権利)だけでなく-の財産(義務・債務)も承継してしまいます。

そのため、-の財産が多く、+の財産に見るべきものがない場合は、相続すると”損”ということがあり得ます。

そこで、「相続の放棄」をすることで、「初めから相続人とならなかったもの」として扱われます(民法939条)。

つまり、相続を放棄すると、被相続人が作った借金を負わなくて済むということです。

 

2.相続放棄の方法


 

 

相続放棄は、手続きが法律で決まっています。

単に、他の相続人に放棄すると伝えるだけでは放棄できません。

正しく放棄をするためには、「家庭裁判所に申述」しなければなりません。

被相続人の最後の住所地を管轄する裁判所において手続きをする必要があります。

手続きには、亡くなった方の戸籍・住民票、放棄する方の戸籍等が必要です。

手続きにお困りの時は是非専門家にご相談ください。

 

3.相続放棄までの期間


 

 

相続放棄の手続きは、自分が相続することを知ってから3か月以内にする必要があります(民法915条1項)。

これを過ぎると、相続放棄できず、相続を受け入れた(承認)ことになってしまいます。

この期間は、相続財産の調査が終わらないとき等、裁判所に延長(伸長)をしてもらうこともできます。

 

 

4.事前の放棄


 

実は、この相続放棄は、事前に行うことができません。

そのため、私は先ほどの記事で長嶋さんがお亡くなりになったのか!?とビックリしたのです。

 

相続で揉めたくない場合や、誰かに財産を集中させたいという場合に、放棄したいとか、放棄をお願いしたいという相談はよくあります。

しかし、事前に放棄をするといっていても、それでは相続放棄の効果は生じないのです。

それでは、相続で揉めない為に、あるいは財産を集中させるために出来ることは無いのでしょうか?

 

5.遺言と遺留分の放棄


 

みなさんもよくご存じの相続対策に遺言があります。

予め、誰にどの財産をあげたいのか決まっている場合、あるいは割合を法律とは異なる割合にしたい場合などに有効です。

しかし、気を付けていただきたいのが「遺留分」という最低限度相続できることが保障されている権利があることです。

詳しくは、別項目で解説しますが、この遺留分は単純に遺言をしただけでは無しに出来ないのです。

 

もっとも、相続人のための権利ですから、遺言を残した方の意思を尊重して、この遺留分は要りませんという手続きは事前に出来ます。

それが、遺留分の放棄です(民法1043条1項)。

この手続きは、相続の放棄とは逆に、相続開始前つまり被相続人予定者の生前に行うことになります。

したがって、一茂さんの言っている放棄は分かりやすくいっただけで、この遺留分の放棄かもしれません。

遺留分の放棄は被相続人の方の住所地を管轄する裁判所で許可を得て行います。

 

遺言で揉めないように準備していても、遺留分を侵害したとして結果的にもめてしまう事例も沢山あります。

相続人の方とよく話し合って、可能であれば遺留分の放棄もしてもらえた方が紛争予防としてはベターだといえます。

もし、一茂さんのおっしゃる放棄がこの遺留分放棄だとしたら、相当しっかりとした相続対策がとられているということになります。

流石です。

 

 

相続で揉めないようにあらかじめ対策を考えたい方は是非一度当事務所までご相談ください。

投稿者: 石原晋介法律事務所

2017.08.02更新

新宿御苑前・四谷三丁目を中心に活動しています弁護士の石原です。

 

2017年(平成29年)の夏季休業期間をお知らせいたします。

 

誠に勝手ながら、本年は下記の期間、休業とさせていただきますので、予めご了承ください。

 


 

 

8月10日から8月14日

 

以上


 

 

8月10日は、事務所が入っているビルの断水があり、お客様にご迷惑をおかけするためお休みといたしました。8月11日からはカレンダー上も三連休なので、もとからお休みです。

 

8月15日から17日までは、私たち家族の出身地である静岡県三島市で毎年お祭りがあり、できればその間お休みにしたかったのですが、裁判所から裁判の期日を8月15日と指定されてしまいましたので、お休みを前倒しといたしました。毎年のように8月15日を指定されるのですが、東京では7月にお盆をしてしまうので、8月のこの期間がお盆休みという感覚がないのかもしれません。

 

三島市の夏祭りは、源頼朝が旗揚げをした三嶋大社のお祭りで、「頼朝行列」や「しゃぎり」が見どころです。今年の頼朝役は、木下ほうかさんだそうです。夏休みのご予定がまだ決まっていない方は、是非三島市までお越しください。

三嶋大祭り

 

おそらく、8月15日~8月17日は三島市の法律事務所はお休みになると思います。

その間、当事務所は営業しておりますので、三島市の方で緊急のご相談などありましたら、三島出身の弁護士、税理士のいる当事務所までご相談ください。

 

 

投稿者: 石原晋介法律事務所

2017.05.12更新

新宿・四谷で弁護士をしている石原です。

今朝の情報番組で、アメリカのYouTuberが、自分の子供に対してイタズラと称し、怒鳴ったり罵ったり酷いことをして再生回数を稼ぎ、ついには親権が剥奪されたと伝えられました。

ネット上ではかなり前から話題になっていたようですが、私は今朝この情報を知りました。

ちょうど、親権についてまとめを作ろうと思っていたため、親権が剥奪される場合などについて書いてみました。

 

1.そもそも「親権」とは?


 

 

親権というのはどういうものでしょうか?

「権」とついているので、子どもを自分のものにする権利? 親であると主張できる権利?

なんとなくイメージはできるけれど、実際にどんな内容なのか分からない方も多いのではないでしょうか。

親権に関して、民法は820条で次のように規定しています。

「親権を行う者は、子の利益のために子の監護及び教育をする権利を有し、義務を負う。」

つまり親権とは、未成年の子を監護(監督し保護することです)・教育するために認められた権利及び義務です。

 

 

2.「親権者」は誰がなるのか?


 

 

「親権」を持つ、「親権者」になるのは、誰でしょうか?

親権者については、民法818条で次のように定められています。

「1 成年に達しない子は、父母の親権に服する。
2  子が養子であるときは、養親の親権に服する。
3  親権は、父母の婚姻中は、父母が共同して行う。ただし、父母の一方が親権を行うことができないときは、他の一方が行う。」

通常は、お父さん、お母さんが親権者となって、婚姻中は夫婦で一緒に行使します。

「婚姻中は」とありますので、離婚する場合はどちらか一方を親権者と定めなければなりません(民法819条1項)。

離婚届には「未成年の子の氏名」として「夫が親権を行う子」と「妻が親権を行う子」を記載する欄があり、記入が必須となります。

 

3.「親権者」を決める基準は?


 

 

親権者をどのように定めるのか、法律で決まった基準はありません。

離婚で親権争いになったとき、弁護士である私が考えるポイントは大体次のようなものです。

(1)親の事情

子どもに対する愛情があることは当然ですが、それだけでは子どもを任せることができません。

・子どもを育てる意欲や能力、環境がどうなっているのか

・親族、友人、あるいは公的機関などの協力や援助は得られるのか

・経済状況はどうか

・親は心身ともに健康か

といった点もご本人から事情をお聞きして、相手方や裁判所にお伝えするようにしています。

(2)子どもの事情

親が親権を欲しいと思っていても、子どもの希望や事情は違うことがあります。

・子どもの年齢、性別、発育状況

・その子の兄弟姉妹はどういう状況にあるか

・現在はどういう状況で育てられているか

・子ども自身の気持ち

といった点も考慮しなければなりません。

 

よく知られているところでは、幼い子どもだとお母さんが親権者となることが多いです。

また、一方の親が家を出てしまって他方の親とだけ生活している状況では、特別な事情がない限り、離婚に際して親権者を変更することは少ないでしょう。

子どもの希望や意見というのは難しいです。

法律では、15歳以上の子は意見を聞かなければならないと定められています(家事事件手続法169条2項)

15歳未満でも、子どもの意見を聞くことはありますが、幼い子は一緒に生活している親の意見に左右されやすいですし、自分の意見というものが定まらないことも多いので、慎重に検討する必要があります。

 

 

4.どんな場合に「親権剥奪」になるの?


 

 

親権剥奪(法律では「親権喪失」といいます)となる場合には、どんな場合があるでしょうか。

民法834条は、次のように定めています。

虐待又は悪意の遺棄があるときその他父又は母による親権の行使が著しく困難又は不適当であることにより子の利益を著しく害するとき」

この条文は平成23年に内容が変わったのですが、以前の「親権の濫用」「不行跡」とは異なり、親権者に非難されるべき事情があることは、必ずしも必要ではなくなりました。

・親権者が子供を虐待、ネグレクトしている

・親権者が子供の財産を、親権者自身のために浪費している

などが親権喪失に当たりえます。

もっとも、過去に育児放棄をしていたとしても、現在は心を入れ替えて愛情を持って監護・養育している場合は、過去の行為だけを理由に親権喪失となることはないでしょう。

 

5.まとめ


 

 

親権というものは、あくまでも未成熟な子どもを育てるという、子どもの利益のために親などに認められた権利であり、義務であります。

ですから、親権者を誰にするかは、本当に子どもの利益になるかを様々な角度から検討し、決めなければなりません。

一緒に子どもと生活したいから、成長を間近で見ていたいからという、親の希望だけで親権者を決めることは、避けたほうがいいでしょう。

一度決めた親権者も、子どもの利益を損なう場合は、変更されたり、喪失・停止という事態になることもあります。

今回の騒動のように、子どもをお金儲けの道具のように扱い、虐待のような動画を世界的に公開することは、残念ながら親権喪失に値する行為と評価されても仕方がないと思います。

 

親権についてお悩みの場合は、当事務所までお気軽にお問い合わせください。

投稿者: 石原晋介法律事務所

2016.10.14更新

新宿御苑前で弁護士をしている石原です。

 

10月24日 午後6時30分から

税理士と共同でセミナーを開催いたします。

 

50代から60代といった、会社でも家庭でも地域でも中心的存在として活躍されている方、

相続について、まだ自分のこととして考えたことがないという方、

相続といっても、うちには自宅くらいしか財産がないので関係がないとお考えの方。

こういった、相続について考えたことがない方々ににお勧めのセミナーとなっております。

 

詳しいことは、下記のイベントページをご覧ください。

 

https://www.facebook.com/events/791332454342865/

投稿者: 石原晋介法律事務所

2016.07.23更新

こんにちは。新宿で弁護士をしております石原晋介です。

 

私は、初めてご相談いただいた方には、ほとんどの場合

「ご依頼いただくのは、他の弁護士にも話を聞いてからで構いません」

とお伝えしています。

 

それは、一生に一度あるかどうかという大事な問題を、本当に信頼できる人にお任せいただきたいからです。

 

専門知識をたくさん披露してくれた人を専門家として信頼したという人もいますし、自分の気持ちをしっかり酌みとってくれたということで信頼してくださる人もいますし、

雰囲気が優しそうだったからと信頼してくださる人もいます。

ご紹介のお客様は、ご紹介者様を信頼しているからという方もいます。

もちろん、安い金額を提示してくれるという基準で弁護士を選ぶこともいいと思います。

 

私は、基本的には理由のない報酬値引きはしません。

(もちろん、ご事情をじっくり伺ったうえで、特別に費用を調整することはございますので、まずは費用も含めてご相談ください)

ですから、私にお任せいただくために、できるだけ私の人柄も皆さんに把握していただきたいと思います。

 

そこで、私のことを取材して、面白い記事にしてくれた「相続相談ガイド」さんの記事をご紹介することで、自己紹介その1にしたいと思います。

こちらのサイトは、相続のポータルサイトというだけでなく、様々な特色を持った他の先生も紹介されています。

 

是非、一度お目通しください。

 

↓記事のリンクはこちらです↓

司法試験に10年以上挑戦し、苦労の末に弁護士となった先生に会いに行ってみた

投稿者: 石原晋介法律事務所

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